ニル・バイ・マウス
監督・脚本・制作:ゲイリー・オールドマン
制作:リュック・ベッソン/ダグラス・アーバンスキー
音楽:エリック・クラプトン
出演:レイ・ウィンストン/キャシー・バーク/チャーリー・クリード=マイルズ
イギリスはサウスロンドンのデプトウッド。失業中のレイモンドは、夜になると義弟のビリーや仲間達とパブにくりだす生活を送っている。ビリーは母親のジャネットと祖母と暮らしているが、母親が稼いだ金を麻薬につぎ込む麻薬常習者。ジャネットはそんなビリーの姿に、悲しみにくれるだけだった。さらにジャネットにはもう一つ心配なことが娘ヴァレリーの夫、レイモンドの事だ。2人の間にはかわいい娘がいるが、酒癖の悪いレイモンドはヴァレリーに暴力を振るうのだ。ヴァレリーはただ耐えるのみ。しかし、レイモンドの暴力はさらにエスカレートするのだった。
イギリスの労働者階級の失業、アルコール、麻薬、暴力、という生活が直視するのがつらくなる程、スクリーンに映し出されます。特にレイモンドの暴力を受けるヴァレリーの姿は痛々しい。顔は腫れ、流産しても、彼女が別れないのはなぜなのか。その場に留まるしかしか選択することができないのか。きっと彼女はレイモンドのやさしい姿を、そして彼の苦しみがわかるのではないだろうか、と僕は思った。かわいい少女の瞳に、両親の幸せでやさしい笑顔が映ることを祈りたい。
1998/03/05 恵比寿ガーデンシネマ