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2000年02月 アーカイブ

2000年02月01日

雨あがる

監督:小泉 堯史
原作:山本 周五郎
脚本:黒澤 明
出演:寺尾 聰/宮崎 美子/三船 史郎/吉岡 秀隆/井川 比佐志/松村 達雄
1999/日本

武士の三沢伊兵衛は数々の藩に従事するが、腰の低い性格が災いして、周りの人々とうまくいかず、妻のたみと流浪の旅を送っていた。
ある時、長雨で川が増水し足止めされた伊兵衛達は、安宿で旅人達と過ごし、雨が止むのを待っていた。ようやく雨の上がったある日、伊兵衛は散歩をしていると目の前で果たし合いが。伊兵衛が止めると、それを見ていた土地の藩主が伊兵衛を藩の指南番に誘う。

今は亡き黒澤明の脚本を黒澤組の仲間が映画化。
脚本段階で寺尾聰を思って書かれていただけあってかすごくぴったり。妻たみ役の宮崎美子ともども雰囲気がすごくいいんだな。武芸に優れた武士なのに優しすぎるが故に恨みを買ってしまう伊兵衛。そんなやさしい伊兵衛を支えるたみ。宮崎さんや寺尾さんの表情がもうなんともいえない。
「これまでの雨は、みんな止みましたから」ってセリフがすごく胸に残った。伊兵衛と自分の状況が似てるからだろうけど、こういったセリフが各所にあって、あ~日本人っていいなって強く感じました。
やっぱり映画は話ありきのもの。この映画を観てすごくそれを感じた。CG等、特殊効果を使った映画もいいけど、観客が感情移入して観られる映画はもっといい。特に邦画は、映画にかけられるお金がアメリカのようにいかないけど、本当に良い作品は、良い話があってできるもの。
こういう映画をもっと沢山の人(特に若い人)に観てほしい。黒澤映画だからって構えず、気楽に観られる映画だと思います。ぜひ劇場に足を運んで欲しい。見終わって、晴々とした気持ちになると思います。

2000/02/01 フジサワ中央2

2000年02月09日

ラブ・オブ・ザ・ゲーム

監督:サム・ライミ
原作:マイケル・シャーラ
脚本:ダナ・スティーブンス
出演:ケビン・コスナー/ケリー・プレストン/ジョン・C・ライリー
1999/アメリカ

デトロイト・タイガースのベテラン投手、ビリー・チャペル。ルーキーから活躍した彼も40歳。今シーズン最後の登板は優勝争いをしているニューヨーク・ヤンキース。しかし、優勝戦線から落ちたタイガースにとってはもはやただの消化試合だ。登板日の朝、チャペルは球団オーナーから事実上の解雇を、さらには最愛の女性ジェーンに別れを告げられる。
最後になるかもしれないマウンドに立つ彼は、5年前のジェーンとの出会いを思い出していた。

僕が人生で最初に泣いた映画が「フィールド・オブ・ドリームス」。ときたらこの映画を期待せずにはいられないでしょう。ケビン・コスナーには野球の話が似合うような気さえするし、しかも引退を迎えようとする男の最後の試合なんてこれ以上ない設定。過剰ともいえる期待を胸に観に行った。
もうケビン・コスナーかっこよすぎ。試合の流れと過去の記憶を上手く合わせて観ている人をチャペルの気持ちに引き込む。そして回が進むごとにドキドキしながら彼を応援している。なんだか映画って不思議だよ。
記憶としてチャペルが思い出すのは恋人との日々。ケンカをしたり甘えたり、支えたり支えられたり。次第に自分にとって大事な事とはなにかを気づいていくチャペル。正に恋愛ドラマだ。おまけではなくきっちり映画に合っているからますます彼を応援する。まるで自分の事のように。
男性は特にあんなチャペルを応援してしまうことでしょう。

2000/02/09 藤沢オデオン館

2000年02月16日

ビューティフル・ピープル

監督・脚本:ジャスミン・ディズダー
出演:ファルーク・プルティ/ダード・イェハン/ニコラス・ファレル/スティーブ・スィーニィ
1999/イギリス

1993年、ロンドン。
バスの車内で偶然に出会った外国人は、いきなりケンカ。ジャンキーのフーリガン、グリフィンは仲間2人と共に母国イングランド代表のW杯予選の応援のためヨーロッパを飛び回っていた。しかしグリフィンだけ飛行機を乗り違え、紛争中のボスニアに着いてしまう。
ボスニア難民のペロは交通事故に遭い病院へ。そこでペロは議員の娘で研修医のポーシャと恋に落ちる。
産婦人科医のモルディは妻に逃げられ1人で双子の世話をしている。言うこと聞かない子供に振り回されっぱなしだ。そこへボスニア難民のジェミラと夫のイズミットが子供を降ろしたいと相談にやって来る。
BBCの海外特派員ジェリーは、妻の反対を押し切ってボスニアに。取材中に足を撃たれたジェリーはなんとかロンドンに戻ったが、ボスニア症候群にかかっていた。

祖国ボスニアの紛争からロンドンに移り住んだ人々が、ロンドンを舞台に巻き起こす5つの騒動をユーモラスに描く。
5つのストーリーが同時に絡み合って進行。最初ちょっとわからなかったけど次第に慣れスクリーンの彼らを好きになってくる。一歩間違えば意味のわからい映画になってしまう演出方法を勢いで上手くまとめてる。
ボスニア紛争という暗く、重くなりがちなテーマを軽快にユーモラスに描きたかったというボスニア出身の監督さん。その言葉どうり、気持ちを楽にリラックスして観られます。最後の医師のセリフがとっても胸に残る気持ちの良い映画です。

2000/02/16 銀座テアトルシネマ

シャンドライの恋

監督・脚本:ベルナルド・ベルトリッチ
出演:サンディ・ニュートン/デヴィッド・シューリス
1999/イギリス

政治活動の疑いで夫が逮捕されたシャンドライは医者の道を目指すため、ローマに渡り古い屋敷の使用人として住み込む。家の持ち主は相続により裕福な暮らしを送る音楽家、キンスキー。だが彼には親しい友人はおらず、たまに子供達にピアノを教えるくらいで、ほとんど家から出ずにピアノばかり弾いていた。やがて彼はやさしく明るいシャンドライを愛するようになる。しかし彼女は夫の身を案じ、再会を望んでいた・・・。

全体を通してセリフは極力なくし音楽が満ち溢れてる。演じる者の表情が観客の心に訴える。それにしても切ない。切ないねぇ、この映画は。
シャンドライを深く愛するキンスキーだが、彼女に服役中の夫を知ってからもこれといった態度を見せず、密かに彼女の夫の解放のため私財を売ってまでお金をつくり、しまいには音楽家の彼にとって一番大事なピアノまで売るなんて、なかなかできることではありません。これはきっとある意味、最高の愛の形なんじゃないかなぁ。
キンスキーを演じるデヴィッド・シューリスの表情は一気に僕の心を捕らえ、そこから僕はキンスキーを応援していた。でもシャンドライの心には愛する夫がいる。キンスキーがなにをしているかを知り、それが自分のためだと知るシャンドライの心に少しずつ変化が起こるのだが・・・
あぁでもやっぱり切ないよ。

2000/03/04 関内アカデミー

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