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2000年08月 アーカイブ

2000年08月05日

>リプリー

監督・脚本:アンソニー・ミンゲラ
原作:パトリシア・ハイスミス
出演:マット・デイモン/グウィネス・パルトロウ/ジュード・ロウ/ケイト・ブランシェット
1999/アメリカ

1958年、ニューヨーク。上流階級が集まるパーティーでピアノの伴奏をしていたトム・リプリーは、造船業界の大物ハーバートに出会う。着ていたジャケットのエンブレムを見て、ハーバートに息子のディッキーを知っているかと問われたトムはつい知り合いだと装ってしまった。
そんなトムはハーバートにイタリアで奔放に暮らすディッキーを連れ戻して欲しいと頼まれる。報酬は1000ドルだ。
イタリアでトムを待っていたのは眩しい太陽と危険な罪の誘惑だった・・・

マット・デイモン、ジュード・ロウ、グウィネス・パルトロウにケイト・ブランシェットという今最も人気のあるであろう若手俳優が勢揃い。加えて監督は「イングリッシュ・ペイシェント」でアカデミー賞9部門制覇のアンソニー・ミンゲラ。これは本当に豪華な顔ぶれだ。

同じ原作を基にしたアラン・ドロン主演の「太陽がいっぱい」のリメイクと言われているがこちらの方が原作に忠実。トム・リプリーの妖しい魅力をマット・デイモンが怪しく好演しています。

そう、この映画のポイントはやはりトム・リプリー役にかかっているのだ。妖しくてどこかつかみどころがなく、それでいて存在感があって観客の気持ちを惹き付けなければならない。共演者も豪華で、ディッキー役のジュード・ロウはなんか奇麗でカッコイイ。しかししかし、トム役マットはむしろもったいないくらいにその力を発揮した。トムはホモセクシャルな部分があるので観客は引いてしまうもんだがマットの魅力でそれをなんとかつなぎとめたんじゃないかな。
特にあの眼。メガネの奥に何かを秘めたあの眼に僕はとても強い印象を受けた。

原作に忠実(読んだことがないからわからないけど)ということなのですが、あのラストにはぼくはちょっと納得できないものがあった。せっかく自分に戻っても良い状況になったのにトムはそれをしなかったのだ。トム自身はわかっていたと思うのだが・・・
それほどまでに過去の自分が嫌で自分であることに嫌悪感を持っているということなのか。
それとも犯罪の深みにはまってしまった人の悲しい性なのだろうか。

オープニングの見せ方がちょっと凝った作りでけっこう好き。それにぼくとしては珍しく音楽が気になった。使われ方がシーン毎に非常に合っていたと思います。
全体的に丁寧な作りという雰囲気でとても好感の持てる作品でした。

2000/8/5 藤沢オデオン館

2000年08月13日

Taxi2

監督:ジェラール・クラヴジック
脚本:リュック・ベッソン
出演:サミー・ナセリ/フレデリック・ディーファンタル/マリオン・コティヤール/エマ・シェーベルイ

2000/フランス

マルセイユを疾走するプジョー406を改造したタクシー。ハンドルを握るのはスピード狂の運転手ダニエル。今日はリリーの両親に挨拶をする約束なのに、産気づいた妊婦を乗せ病院に向かうことに。無事送り届けたもののリリーから怒りの電話が。なんとか約束の時間に間に合ったダニエルだったが、リリーの父親はなんとフランス軍の将軍。ダニエルは日本から来る防衛庁長官を迎える将軍のため自慢の愛車で送り届けることに。
その頃日本からヤクザの手下が日仏国交断絶を狙い長官の誘拐を企てていた・・・。

前作『Taxi』から2年。ダニエルとエミリアンが再びコンビを組みました。今回の舞台はパリ。製作・脚本はベッソン。前作を知っているし、結構好きなんで期待して観に行きました。

今回の犯人グループは日本人。ってことで三菱ランサー。なんで?
どうやら欧州ではかなり人気があるみたいです。高いようですが。まぁ最終的にはベッソンが「悪そうだから」と選んだみたいですが・・・。

肝心の中身ですが、笑わせてくれます。今回も。この点に関しては文句付けられません。わかりやすーいコメディ。わかりやすーい勘違い。これを観て一度も笑わない人はいない(はず)。
でもねぇ~、笑ってばかりはいられないような気もします。バカにされすぎだぞ日本人。これは怒っていいんじゃないでしょうか。そこのおっさん!笑ってる場合じゃないぞ。

やはり本物のカーアクションは迫力が違う。あの流れるような本物の動き、素晴らしい!せっかくの音楽が聞き取れないくらいぼくはドキドキしてしまった。CGの作り物なんて目じゃないね。でもちょっとやりすぎの感もある。
今回の改造プジョーはまたかっこよくなりました。スイッチ周りも一新。しかも羽が付いてる!ってことは・・・それは観てのお楽しみ。

前作はリリーの思いは果たされたけど、今回はず~っと待たされっぱなし。ちょっとかわいそうに思うのはぼくだけかな。まぁペトラは大活躍だったけどさ。あと間抜けな署長は相変わらずだった。

細部まできっちり描かれていた前作と比べ、今回は、はしょった感じ。それが良いのか悪いのかは観る人次第かもしれません。
ぼくは悪い方に感じました。時間のせいかな。やはり90分にしては展開が盛り込みすぎ。監督が変ったからかな。それとも次回作を意識してしまったのか。もう決定してるみたいだし。後に続くように作ることを意識したのだろうか。それとも笑いを求めすぎたのかもしれません。
なんにせよなんだか全体的に中途半端になってしまったことが残念。まぁ次回作に期待するか!?

2000/8/13 厚木シネマミロード

2000年08月20日

仮面学園

監督:小松 隆志
原作:宗田 理
脚本:橋本 裕志
出演:藤原 竜也/黒須 麻耶/石垣 佑磨/栗山 千明/渡辺 いっけい/大杉 漣
2000/日本

一見普段と変わらないように見えたある日。登校拒否をしていた生徒が仮面をかぶって登校してきた。いじめられっ子だった彼だが仮面を付けてからは性格が一変。その後学校中のいじめられっ子が仮面をかぶって登校するようになった。
この学校の生徒川村と芦原は元同級生からのメールで仮面パーティーの存在を知り、仮面の謎を調べるためパーティーに潜入。
そこで仮面工房の堂島という男に出会う。

藤原竜也この映画で映画初出演にして初主演。キャスト陣も可もなく不可もなく。芦原役の新人君もがんばっていたし(チューヤンに似てる)、脇を固める方々もなかなかおもしろい人が揃っている。大杉漣とかね。

仮面を通してでないと自分を表現できないという彼らは、インターネット等の匿名性の世界と似ています。
両者とも素顔を相手に知られることがなく、全く別の人格を持った人間になることができるのです。
人にはみな変身願望があります。違う自分になりたいと。しかし、現実の世界でそれは簡単なことではありません。しかしネットの世界ではそれが可能です。それは良い結果を生むこともあるけど悪い結果を生むこともあります。この映画はどちらかというと悪い面を抜き出して、匿名の世界を描いています。
これはこれで良いかもしれないが、ちょっと待って欲しい。匿名性の良い所だってたくさんあるはずだ。少しでもそこが欲しい。ネット利用者としてはね。
これが直接ネットの世界だと思う人がどれくらいいるかわからないが、変な誤解を持たれたら嫌だなぁ。

仮面をかぶらなければ自分を表現できないというのはやはり淋しい。
仮面のいらない人生と環境が理想だね。

2000/8/20 フジサワ中央

死者の学園祭

監督:篠原 哲雄
原作:赤川 次郎
脚本:安倍 照男/山田 珠美
出演:深田 恭子/加藤 雅也/内田 朝陽/林 知花/坂本 三佳/黒澤 優
2000/日本

ある日、手塚学園演劇部の山崎由子が屋上から投身自殺をした。遺書の代りに遺されていたものは「青い瞳の天使」という台本だった。
演劇部の部長、結樹真知子は学園祭の出し物にこの「青い瞳の天使」の公演を企画。なかなか許可が下りなかったが結樹は学園長に直談判。なんとか許可をもらうことができた。そして舞台の幕が上がった・・・

映画初主演の深田恭子。監督は『月とキャベツ』 『はつ恋』でおなじみ篠原哲雄。
おっとりした印象の深田恭子に犯人探しの生徒役はちょっと難しかったか。でもマイペースなので芯が強そうなイメージもあるか。どっちにしても、もう少し深田恭子の感情の起伏があればなぁと思った。もっと思いっ切り泣いて、思いっきり怒って、思いっきり笑って欲しい。そうすればもっとこっちに彼女の気持ちが届くように思う。これは演技の上手い下手は関係ない。まぁあれがキャラですと言われればそれまでだけど。

しかしまぁ、短い時間ながらよくまとまっていたかな。全体的にも「仮面学園」よりは構成がしっかりしていた気がします。はしょった所もあっただろうけど。でもクライマックスはかなりドキドキしていたし、これだったらもう少し長くて(2時間とか)も楽しめる映画だと思います。

最後の深田恭子の自転車姿はかなり気持ちが和んだ。ずいぶんすっきりとした笑顔で爽やかに疾走していたなぁ。でもキスシーンは・・・どうなんだ?必要だったのか?それほど重要なシーンではないように思ったけど。
ぼくは深キョンのファンではないけど、ファンの人はどう思ったのかな。

2000/8/20 フジサワ中央

2000年08月27日

ホワイトアウト

監督:落合 節朗
原作・脚本:真保 裕一
脚本:長谷川 康夫/飯田 健三郎
出演:織田 裕二/松嶋 菜々子/石黒 賢/吹越 満/佐藤 浩市
2000/日本

日本最大のダム、新潟奥遠和ダム。ダム付近のスキー場で遭難者を見つけたダム運転員の富樫と吉岡は救助に向かった。しかし救助の途中で猛吹雪「ホワイトアウト」に遭ってしまい、富樫は無事だったものの吉岡は命を落としてしまう。
2ヶ月後。吉岡の婚約者千晶は吉岡の愛した奥遠和の地に向かう。
また同じ頃、テロ集団「赤い月」がダム襲撃の準備を着々と進めていた・・・。

織田裕二主演作。監督はTVで織田と組んだ事が多い落合節朗。代表作は「振り返れば奴がいる」とか。映画の監督は初めてだそうです。だから織田と石黒・・・

その映画初監督というところがこの映画のネックかもしれない。TVドラマ出身だけに映画もTVドラマの様に撮っていたのだろうか・・・。ちょっとこの映画に関してはそれはもったいない。中途半端になってしまった感がある。せっかく久々の日本の娯楽映画なのにおもしろくない。いや全然おもしろくないわけではないですが・・・でもね~本当にもったいない。

例えば織田裕二への過剰とも言えるカッコよくみせよう演出。アップ多用。これはどーいうこと?彼のプロモーションビデオなの?
映画でしょ。これ。
引きの画を使って、状況を教えてくれよ。あれじゃ本当に「ホワイトアウト」に会ったのか疑問だし、恐さも感じられなかった
織田本人が演じている事をアピールしたかったのかもしれないが、ぼくは逆に「ホワイトアウト」を疑わしく思ってしまい、結局この映画を疑ってしまった。
それと彼のキャラクター。無口=カッコイイはおかしいって!なんでなの。緊張したシーンが続く中、彼の無口さが余計緊張感を誘う。少しは緩和を取り入れてほしい。独り言でも彼に喋らせるだけで少しは和らぐと思うのだが。

まだあります。織田と松嶋の顔がちょっとキレイすぎ。たしかに松嶋菜々子はキレイだけど、冬山に数十分いたら顔も少しは汚くなるはずだ。でも菜々子が銃をブッ放す所はちょっと面白かったりしたので、許しましょう(笑)

でもまぁ日本の娯楽映画としてはまぁまぁというか及第点はあげます。佐藤浩市や吹越満、警察署長の中村嘉葎雄などけっこうがんばっていた方もいるし。でもこれではTVの2時間ドラマとほとんど変わらない作品だ。というかTVドラマです。
ぜったいにもっとおもしろくできたはず。できるはず。

今後はこういう作品はなかなか見られないような気がするので、ここらで日本の娯楽作をチェックしてみるのも良いかなぁ。

2000/8/27 フジサワ中央

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