« 2000年08月 | メイン | 2000年10月 »

2000年09月 アーカイブ

2000年09月09日

サウスパーク 無修正映画版

監督・製作・原作・脚本・声優:トレイ・パーカー
製作・原作・脚本・声優:マット・ストーン
声優:メアリー・ケイ・バーグマン/アイザック・ヘイズ
1999/アメリカ

舞台は常冬の地、サウスパーク。小学生の4人組スタン、カイル、ケニー、カートマンは大好きなカナダのコメディアン、テレンス&フィリップ主演の映画(R指定)をズルして観る事に成功。すっかり禁ワードにハマってしまったのだった。
この映画は小学生の間で人気となり、全米中の小学生の言葉使いが悪くなってしまった。そんな状況に怒り心頭の母親達。なんとカナダとの全面戦争にまで発展してしまうのだった。

ファック連発!下ネタのP音無し!もはや説明不要。笑わずにはいられない映画。というか笑うより仕方がないかな。

ぼくはビデオを未見なのだがそれでもオモシロイ。でもやはり少しでも観ておくべきだったかな。きっともっとおもしろかったかもしれない。もったいない。

そしてもっともったいないのが日本語と英語の隔たりの大きさ。彼らがどんなに下ネタ、つまりスラングを連発していても僕らは字幕を読んでいくしか理解する方法がない。
英語をそのまま日本語に訳すのにも限界があるだろう。言語体系が違うからそれは当然だ。
P音は無いのだが字幕というクッションが笑いを和らげてしまったようにも感じた。もっと英語を勉強すべきだったなぁと思う今日この頃。でもスラングなんだよなぁ・・・

それとアメリカという国がどんな国かを知らないってことに気付いた。アメリカで大人気だったのはお国柄を細かく描いていたからだったのでは。日本人はどこまでアメリカを知っているのだろうか。ぼくはアメリカって国をよく知らないんだなって改めて知らされた。

全編通してミュージカル仕立てという手法はとてもおもしろい。アメリカらしいっていうのもあるし、詞の内容がすごいんだけどテンポ良く進んでしまうし、不快なリズムではなくむしろ心地良い気がするくらい。なんか気持ち良かった。

でも朝の10時から観る映画じゃないよなぁと思う。それとカップルで観ていた人達はどう思いながら観ていたのだろうか。気になるなぁ。

2000/9/9 渋谷シネ・アミューズ・イースト

2000年09月10日

監督・脚本:阪本 順治
出演:藤山 直美/豊川 悦司/國村 隼/大楠 道代/中村 勘九郎/岸辺 一徳/佐藤 浩市
1999/日本

クリーニング店の長女吉村正子は、母の元で洋服のかけはぎをしながら、静かにひっそりと暮らしていた。しかし正子を守っていてくれた母が急死してしまう。
通夜に出ず部屋に閉じこもる正子。妹に家族を捨てた父親の事を聞く無神経さに、腹が立った妹は姉を罵りケンカ。正子は妹を絞め殺してしまうのだった。
香典袋を持ち正子は家を出るが、まもなく大地震に遭ってしまう。しかし混乱に乗じて正子の逃亡は成功する。

阪本順治監督作はビデオで「ビリケン」を観て以来。映画館では初めて。藤山直美という女優を観るのもこれが初めて。とても存在感のある人だ。声もでかいし。

吉村正子という女性は、足踏みミシンとTVと少女マンガという自分の世界の中だけで生きていた。しかし妹を殺してしまったことにより、外の世界へ飛び出すことになる。
ひきこもりの人間が外に出るのはそうとう勇気がいる事だ。しかし正子の場合は積極的な意志ではなく逆に逃げるという手段により外に飛び出した。とても後ろ向きな気がするが逆の発想で、これはこれで説得力があった。

外の世界へ飛び出した正子は様々な人々と触れ、次第に人生を楽しむようになっていく。それまで劣等感の固まりのような正子だが表情が明るくなっていく。それはきっと周囲の人々のおかげだ。そんな周りの人々も、実は悲しみや苦しみを持ち、もがきながら生きている。恵まれた環境に身を置いている人はいない。
ではなぜ彼らは正子にやさしく接したのか。きっと彼らは、正子に昔のまたは今の自分を重ねているのではないだろうかと思う。最後に自ら死を選ぶ者もいるが正子には生き延びて欲しいと思っているように見えた。クラブのママ、律子が電話で「死ぬくらいなら逃げて。どこかで生きていて。」というセリフは印象深かった。

幾度もピンチを切り抜けてきた正子に藤山直美の魅力が加わり、表情の変化していく正子にぼくは知らず知らず応援していた。ラスト「それはちょっと・・・」という方法で逃げるのだが、正子ならなんとかなるような気がする。
なんとなく勇気をもらえるような作品でした。

2000/9/10 テアトル新宿

ワンダー・ボーイズ

監督:カーティス・ハンソン
原作:マイケル・シェイボン
脚本:スティーブ・クローブス
出演:マイケル・ダグラス/トビー・マグワイア/ロバート・ダウニーJr/フランシス・マクドーマンド
2000/アメリカ

大学の英文科教授グラディ・トリップは、7年前文学賞を受賞し、一躍「ワンダーボーイ」として脚光を浴びた作家だ。しかしこの7年間彼は1作も発表できず、作家生命の危機に瀕していた。
そんな中毎年開催される作家達のお祭り”ワードフェスタ”に前作の編集者がNYからやって来る事に。さらに教え子のジェームズにも振り回されるグラディは、最悪の3日間を過ごす事になるのだった・・・。

マイケル・ダグラス、ロバート・ダウニーJr、そしてトビー・マグワイアという豪華な顔ぶれ。さらに女優陣もフランシス・マクドーマンド、ケイティ・ホルムズと魅力的。

どん底にあえぐ作家と窓際の編集者。そして才能を感じさせる作家志望の若者。この「ワンダーボーイズ」がふとした事件を機に、それぞれのターニングポイントとなる3日間を過ごす事になる。

老いた作家役のマイケル・ダグラスがとても良い感じだ。老眼鏡をかけ、2000ページを越える短編小説(!)を完成させるべくタイプライターの前に座る姿がさまになっている。マリファナを吸ってフラフラになっている姿も落ちぶれた作家の姿をより鮮明にする。
しかし、3人の中で一際目立っていたのはマグワイアだ。ベテラン俳優達に囲まれながらも、独特の存在感を見せ、役柄同様に才能を感じさせる。相変わらずのあの大きな目と表情が印象的だ。

そしてこの映画でぼくがもっとも感動したのが照明。つまり光と影の使い方だ。
特にジェームズに対してはその性格を表すかのような影の使い方にぼくはとても感動した。彼が大人達と関わるうちに光を得ていくのもおもしろい。

「どん底を知る人間の弱さと強さ」というのを僕は感じた。グラディのようなどん底は未だ経験ないが共感できる映画だ。3人は最悪の3日間を経て、それぞれの進むべき方向を見つけた。果たして自分は・・・。などと思わず考えてしまった。

ややまとまりのなさを感じる所もあったけど、最後の最後はとても良い終わり方で、気分良く映画館を後にすることができた。
終わりよければすべて良しだ。

2000/9/10 新宿武蔵野館

2000年09月15日

人狼

監督:沖浦 啓之
原作・脚本:押井 守
声優:藤木 義勝/武藤 寿美
1999/日本

敗戦から十数年後の昭和30年代。凶悪犯罪の絶えない街と化した首都東京。政府は反政府勢力の制圧のため、首都圏だけの治安部隊、通称”首都警”を設置した。しかし強大すぎる武力を持った首都警は、次第に孤立していく。
首都警の一員、伏一貴は地下組織の追跡中、目の前で衝撃的な出来事を見ることに。それがきっかけで伏は苦悩に陥る。そこへ1人の女性が彼の前に現われる。

昭和30年代。ありえたかもしれない敗戦後の東京の姿を背景に時に激しく時に淡々と描く。この時代設定がストーリーにマッチしていてなんだかリアル。また、描写も細かくて特に人物のしぐさが丁寧に描かれているので、さらにリアリティが増しているように思う。彼らの体温までが伝わってくるようだ

「獣」として生きるしか術のない男と時代に流されるように生きる女。2人は存在を確かめ合うように互いに支えながら生きていた。女が男に近づいたのは別に理由があったのだが、女は本当に惹かれていたのではないだろうか。
しかし、男が出した結論は非情なものだ。彼は自分の居場所を知っていたからだ。自分を必要としている場所に進まなければならないことも。それが悲しみを生むとしても・・・。
しかし最後に彼も迷った。それは人間としての迷いだったのではないだろうか。

2000/9/15 横浜西口名画座

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

監督:ヴィム・ベンダース
出演:ライ・クーダー/コンバイ・セグンド/ルーベン・ゴンサレス/イブライム・フェレール
1999/ドイツ・アメリカ・フランス・キューバ

アルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は97年にグラミー賞を受賞。同作をプロデュースしたライ・クーダーが、同作に参加したキューバのアーティストとの親交を追ったドキュメンタリー。
アーティスト達は人生を語り、音楽を奏でる。彼らは夢のカーネギーホールでのコンサートも開く。

勉強不足で申し訳ないのだがキューバ音楽については良く知りません。アルバムも買っていません。じゃあなんで観たのかと言うと、雨が降ってきたから映画館で時間を潰そうと。まぁそんな感じで。

しかし、キューバの音楽が流れてきた時の心地良さといったら。あまりに気持ち良くて不覚にもちょっと寝てしまいました。映画を観て寝たことはなかったのですが・・・

ここに出ているアーティスト達は、ずーっと第一線でがんばっている人なんていないというのが良い。ライ・クーダーに見出される前の彼らは、音楽と離れたところに身を置いていたのだ。
そしてほとんどが70前後かそれ以上。ピアニストのルーベン・ゴンサレスなんて普段はヨタヨタ歩きなのに、ピアノの前に座るとビシッとして鮮やかに美しい音楽を奏でる。
なんてカッコイイじいさんだ。

キューバで生まれキューバで育った彼らの隣には常に音楽があった。どんなに苦しくても、音楽が彼らを支えていたのだろう。カメラの前で自分を語る眼より、楽器を手にしている時の眼がとても輝いていた。そして手にした楽器から発せられる音には自信と誇りが感じられる。

あんな風に年を重ねていけたらなぁ、と思ったら雨が止んでいた。

2000/9/15 関内アカデミー

2000年09月17日

金髪の草原

監督・脚本:犬童 一心
原作:大島 弓子
出演:伊勢谷 友介/池脇 千鶴/松尾 政寿/唯野 未歩子/加藤 武/東 恵美子
1999/日本

日暮里歩、80歳。ある朝彼は20歳の青年として目を覚ます。しかし体は80歳。思うような動きはできない。家の周りの風景も変っている。彼はその現実を夢の世界だと思い込むことにする。
そんな日暮里の元に18歳の新任ホームヘルパー古代なりすがやってくる。なりすは日暮里が学生の頃のマドンナにそっくりで、日暮里はマドンナと思い込んでますます夢の世界に入り込んでしまう・・・。

大阪物語』の池脇千鶴と『ワンダフルライフ』で 自分自身を演じた伊勢谷の共演。原作は大島弓子。

やはりなんといっても池脇千鶴が良かったです。ぼくは。
なんか幼い感じのする子なのにとても色々な表情を観ることができた。「女優」って言葉が似合う人だと思います。
伊勢谷のジイさんっぷりもなかなか。たどたどしい喋り方や、動作はそれらしく、見た目も古風な感じ。この2人はベストなキャスティングだ。

現実に生きるなりすと夢に生きる日暮里。2人ともなにかしらの苦悩を持ちながらその世界に生きている。その2つの世界が合わさる時、不思議な空気が映画を包み込む。観ているぼくらも、なりすと一緒に夢の世界に入っていくようだ。

原作とはいくらか違う所があるみたい。そのひとつが花。原作ではバラが出てくるみたいだけど映画では向日葵が使われている。しかも部屋いっぱいに。それがすごく印象に残った。映画の中では、向日葵の方が合うかな。
ちなみに銀座テアトルシネマではロビーのあちこちで向日葵を目にすることができます。造花でしたが。

しかしなぜなりすは"結婚"を決意したのだろうか。日暮里に対する同情なのだろうか。ぼくはなりすが自分を愛してくれる人つまり日暮里に惹かれたのだと思った。
なりすはそれまで本当に愛されたことはなかった。だから自分を本当に好きだと言ってくれる日暮里を愛しく感じるのだ。でも、その先にあるかもしれない幸せを得る事は自信がなくて、恐くて不安。
でも映画の終わりになって、彼女は現実を必死に生きよう、悔いのないように生きようという決意に満ちた表情でした。結果を恐れず、前を向いた姿がとても可愛いくて、すごく励まされた。
ぼくも前を向いて生きようっと。悔いのない人生を・・・

2000/9/17 銀座テアトルシネマ

2000年09月23日

ミュージック・オブ・ハート

監督:ウェス・クレイヴン
脚本:パメラ・グレイ
出演:メリル・ストリープ/アンジェラ・バセット/グロリア・エステファン/エイダン・クイン
原案ドキュメンタリー:『ハーレムのヴァイオリン教室』
1999/アメリカ

夫と別れて、2人の子供と50挺のヴァイオリンを持って実家に帰ったロベルタ。音楽を愛する平凡な主婦だったロベルタは友人の勧めで小学校のヴァイオリンクラスの臨時教員となる。
希望を胸いっぱいに膨らませてクラスに向かった彼女を待っていたのは、アメリカ内でも物騒な地区の小学校。子供達は素直に言うことを聞くわけもない。その日から、ロベルタの教師としての長い長い道のりが始まった・・・。

名女優メリル・ストリープが、音楽を愛するロベルタを演じたやさしさ溢れる映画。実際にあった話を基にしており、実際のロベルタは今もヴァイオリンを教えているそう。

メリル・ストリープは説明をするまでもない女優だ。”女”を演じさせたら右に出る者はいないって感じ。
しかしそんな彼女も子供達の子供故の魅力にはかなわない。子供達の笑顔は本当に良い表情をしているなぁ。それに、子供達と接している時のメリルの顔が一番生き生きとしていたように感じた。
話の主役はロベルタだが映画の主役は子供達の笑顔とヴァイオリンだった。

なにをかくそう僕はヴァイオリンの音に弱い。ちょっと上手な人の演奏を聞くだけでジーンときてしまう。この映画はそこら中ヴァイオリンだらけで、ヴァイオリンフェチの僕にはもうたまらない映画だ。

そんな感動しっぱなしの中、ぼくが特に感動したのは、ロベルタが初めて教えた子供達が学校の講堂で発表会をした時だ。ラストのカーネギーホールでの演奏会には世界に名だたるヴァイオリニストが数多く出演しているらしいが、学校の講堂での発表会の方が前後の相乗効果も手伝ってか、ぼくはとても感動した。
要は音楽を愛することなのだ。場所の問題ではないってことです。
演奏後の子供達の照れた表情もとても微笑ましい。
普通メリルばかりに目が、というかカメラがいってしまいがちだが、そういう所もしっかり入っていて好感の持てる映画だ。

大人にも子供にも観てもらいたい映画です。そして教師の方、ついでに文部省の役人にも観てもらいたい。(文部省特選とかいいつつ一部の人しか観てないだろうから)
そしてこの映画で何かを感じて欲しい。感じるはず。

2000/9/23 ワーナーマイカルシネマズ海老名

Google

About 2000年09月

2000年09月にブログ「cinema-maison」に投稿されたすべてのエントリーです。新しい順に並んでいます。

前のアーカイブは2000年08月です。

次のアーカイブは2000年10月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type