監督:ティム・ロス
原作・脚本:アレキサンダー・ステュワート
出演:レイ・ウィンストン/ララ・ベルモント/フレディ・カンリフ/ティルダ・スウィントン
1998/イギリス
15歳のトムと18歳のジェシーの姉弟は両親と共に、ロンドンからデヴォン郊外に引越したばかり。家の周りに何も無い地にトムは退屈な日々を過ごしていた。
父は仕事で忙しく、母は妊娠。何も問題なく幸せに見える一家に、少しづつ隠された秘密が表面化して・・・
『海の上のピアニスト』に主演した個性派俳優ティム・ロスの監督デビュー作は、なんと近親相姦をテーマに選び、思春期の姉弟をやさしく、そして厳しく描いた作品となった。
デヴォンという土地の印象がとても強く残る。何も無いのです。あるのはこの家族が住む家と、海辺の小屋。そしてわずかな木々。空と海は暗く沈んだ灰色で、谷間はそびえ立つ岩が灰色に輝く。これは無の美しさとでも言うのだろうか。
あまりにもインパクトのある「絵」でした。
ジェシー役の新人ララ・ベルモンドがとても勇気のある演技。これには賞賛の拍手を送りたい。
大胆かつ繊細な表情と演技。家族全員のシーンの中で微妙なアイコンタクトを送り、何かを訴える様なその瞳がデヴォンの地のごとく美しくそして寂しげだった。
そしてこちらも新人トム役のフレディ・カンリフのあの表情。
一見頼りなさげの表情のその奥に秘めた正義感。それ故の苦悩。とても難しい役だったと思うが、堂々とやってのけた彼にも拍手を送りたい。
この新人2人を引き出したのはやはり周りの共演者、特にレイ・ウィンストン。 彼はゲイリー・オールドマン監督作『ニル・バイ・マウス』 同様この作品でも悪者となった。 レイには悪いけどぼくの中ではかなり悪者度が高くなってしまった。できたら今度は、 良い人役の彼を観たい。
そしてもちろん俳優でもある監督ティム・ロスの指導や引き出し方も上手かったのだろう。
少女から女性へと変化を遂げるジェシーの行動、言葉はとても衝撃的というか、観ていて痛々しい感じでした。
あぁ女って大変。男ってバカですねぇ。
2000/10/22 シアター・イメージフォーラム