プリンセシーズ
監督・脚本:シルヴィ・ヴェレイド
出演:エマ・ドゥ・コーヌ/ジャン=ユーグ・アングラード/カロル・ロシュ/ジョアン・レゼン
2000/フランス
ソフィはある日、父親に殺人容疑がかけられて警察へ。そこにはヴィルジニーという少女もいた。そこで彼女達は異母姉妹であることを知らされる。反発心を感じながらも、2人は父親を探す旅に出るのだが・・・
フランスの人気者エマ・ドゥコーヌ主演作。激しい感情を内に秘めた2人の少女にフランスの新進気鋭、シルヴィ・ヴェレイド監督が迫る。
サスペンス的な要素があるのだけど、基本的には2人の少女の成長を描いた作品。
幼児期に父親から受けた暴力で病んだ心と、内に抑え込んだ激しい感情をどう受けとめ、どう生きるかがテーマ。
同じ父を持つ2人の少女も、最初は対照的な表情を見せる。ソフィはいつも冷静さを保つような印象だ。でも実は淋しい。誰かを求め、そしてここではないどこかを探し求めている。でも冷静さが邪魔をして最初の一歩を踏み出せない。そんな時に父親探しの旅は彼女にとって背中を押されたような感じだったのだろう。最初は不安気な表情も次第に逞しくなり、自分らしさをなんとなく見つけたような、そんな自信を感じさせる表情になった。
一方ヴィルジニーはソフィとは反対に強気な印象を残す。しかし徐々にその態度も弱まり、結局はソフィ同様に寂しさを抱えた少女だったことを露わにする。
2人は出会って最初、反発しあうものの旅に出て助け合う内に互いを認め合うことができるようになる。同じ境遇の2人は、相手を見る事によってそこに自分の姿をも見たのだろう。
そして彼女達は求めていた誰かつまり家族を、帰る場所を得る事ができた。恋人ではなく。まずは家族の存在があって人は前に進むことができる。彼女達の人生はこれからが始まりなのである。
テーマの選定も描き方もそこそこ。音楽にも少女達の心情を表すようにするなどの工夫は、センスの良さが光る。意図的にわかりづらい構成をしたのはちょっと嫌だけど。
でもフランス映画は難しい。言葉はまったくわからないし。
今回映画祭では英語と日本語の字幕が表示され、英語が下に、日本語が右に表示された。これが見づらくてセリフのわからなかった所があったのは残念だ。
でもこれは監督せいではないけどね。
2000/11/3 東京国際映画祭 Bunkamuraオーチャードホール