« 2001年01月 | メイン | 2001年03月 »

2001年02月 アーカイブ

2001年02月10日

僕たちのアナ・バナナ

監督:エドワード・ノートン
脚本:スチュワート・ブルムバーグ
出演:ベン・スティラー/エドワード・ノートン/ジェナ・エルフマン
2000/アメリカ

ニューヨークに住むカトリック神父のジェイクとユダヤ教ラビのブライアンは幼い時からの大親友。
ある日、小学校時代の幼なじみアナが仕事の関係でニューヨークに来ることに。再び昔のような親密な関係を取り戻した3人。
しかしそれぞれの秘めた思いが交錯し、友情と信仰が揺らぎはじめる・・・

ファイトクラブ』や『アメリカン・ヒストリーX』で主演を務めたエドワード・ノートンが夢であった映画監督に挑んだ初作品。脚本は大学時代からの親友スチュワート・ブルムバーグによるもので、若者(といっても20代~30代あたり)が遭遇するであろう試練をコメディタッチに、でもちゃんと真面目に描いた。スチュワートをちょこっと出演していたりと遊び心もあって、息のあった2人の才能と多くのサポートによりこの映画を作り上げています。

ノートンって映画デビューしてまだ4年目ということをプロフィールを見て知ったんだけど、それにしても存在感がとてもあって、"上手い"って思わさせられる。立ち振る舞いがとても自然で、役にシンクロしているんだなぁって。
今回初監督ということで様々な苦労があったと思うけど、周りのサポートが機能して良い作品になった。
こういう映画は脚本が大事。もちろんそれを活かすも殺すも監督次第ではあるけれど、脚本がなければ始まらない。で、この映画はどーなんだってことになるけれど、テンポ良く話が進むので気持ちが良い。内容もしっかりしているし、三角関係の扱いも面白い。

そしてこの映画にとってベン・スティラーの存在は大きい。この映画がコメディのセンスを持つことができたのも彼が居たからこそ。彼を想定して書かれただけあって役にはまっている。
アナ・バナナを演じるのはジェナ・エルフマン。美人ではないけれど(失礼)、女の魅力たっぷりでこの役にぴったり。
この主演3人のやり取り、もちろんそれ以外どんなシーンも面白い。楽しい雰囲気が観ている者も楽しくさせてくれる。ただ全体的にちょっと長いような気もするのだけど・・・

この映画のテーマの1つに「信仰」がある。神を信じるということだけでなく、人を信じるということも含めた大きな意味での信仰だ。信じるということや信じ続けることっては難しいことだと常々思ってたりするんですが、本当に難しいねこれは。時には自分の信仰(信念)を曲げてでもやらなければならないことは世の中にはたくさんあるんです。でもそこで悩んだりもしくは後悔することで得るものがあったり失うものもあったりするわけで、そういうことの積み重ねが「人生」なんですね。きっと。

友情と恋愛と信仰と・・・
人生は選択に悩んだり、後悔したりの積み重ね。
それでも僕らは生きていく。自分のために、誰かのために・・・信じる心を持って。

2001/2/10 新宿シネマ・カリテ3

2001年02月12日

弟切草

監督:下山 天
原作・脚:長坂 秀佳
脚本:仙頭 武則
出演:奥菜 恵/斉藤 陽一郎/大倉 孝二/松尾 れい子
2000/日本

ゲーム会社で働く奈美は、ある日、本当の父親が別に存在し、その父親が亡くなったことを知らされる。彼女は元恋人の公平と共に相続した屋敷へと向かい、出生の秘密と父親の謎を知ることに。しかし誰もいないはずの屋敷に人影が・・・

奥菜恵主演の冬の角川ホラー作品。今回はリングシリーズをはずし、新たなターゲッ トを狙った2本で勝負。
監督は『イノセントワールド』の下山天。脚本に仙頭武則とスタッフは万全。キャストも奥菜恵、斉藤陽一郎(『Focus』)松尾れい子(『楽園』)など決して派手ではないがそこそこのはず。あとは、話とその見せ方だけど・・・。

ぼくは基本的にホラー作品が苦手なので避けていた。ではなぜ今回観ることにしたかと言えばそれは奥菜恵だったから・・・ただそれだけ。
でどうだったかといえば・・・恐くはなかったです。はっきり言って。むしろちょっと笑ってしまうような、そんな気さえした。苦笑いって感じで。

最初、奥菜と斉藤が屋敷に向かうまでの道のりで、ネガポジ変換というかそんな色調補正でスクリーンに写し出された時、僕は嫌な予感がした。補正の効果、意図はわからなくもないが、第一印象がこれでは、観ている方は正直つらい。
これ以外にも狙った(であろう)合成のシーンなどがあるが、ちょっと受け入れがたい。これはおそらく、全編デジタルカメラで撮ったからちょっと遊んでみよう的な制作者の考えがそうさせたのかも。まぁいろいろ効果が施されているのだけど、ぼくには映像の重みが失われてしまったような印象しか受けなかった。それ故に画面に強さはない。説得力やリアリティーも薄い。こういうCGはちょっと考えて欲しいなぁ。

これは映画で、ビデオソフトではない。やはりお金を払って観るだけのクオリティがほしいよ。製作期間の短さや資金面での問題などがあったのかもしれないが、ちゃんと作れるだけの材料や方法はあるはずだ。スタッフの名前に仙頭さんの名前があるだけに、これはとても残念だった。

キャストに対しては可もなく不可もなく。松尾れい子とその相棒(?)との掛け合いは面白いが、斉藤陽一郎は軽薄すぎて映画の魅力が軽くなった。あの笑い方はありなの?
でもまぁ奥菜恵はたしかに可愛かったです、えぇ。
素で驚いている(たぶん)表情も観れたし。まぁ、いっか。

2001/2/12 フジサワ中央2

狗神

監督・脚本:原田 眞人
原作:坂東 眞砂子
出演:天海 裕希/渡部 篤郎
2000/日本

高知の山奥の村に、中学校の教師として赴任してきた青年。そこで狗神筋と呼ばれる一族の長女と関係も持った青年は、一族の秘密と自身の出生の謎を知るのだが・・・

天海裕希、渡部篤郎の主演作。監督は原田真人『バウンスkoGALS』。

スクリーンを観ていて、天海さんっていくつなのかなぁと思ってたりしました。ちょっとわからないのがけっこう不思議。結構いってたような気がするんだけど・・・
でも年齢を感じさせないと言うことかなこれは。

この映画、舞台設定が山奥の村ということで方言がとってもわかりづらい。ゆえに話の理解にとっても苦しんだ。それにこれは劇場の問題だけど大きい声は割れちゃうし、小さい話し声は聞き取れない。聞き取れたとしても意味がわからないという最悪なパターンに陥ってしまった。結局最後まで、気持ちが乗り切らずで終わってしまった。

一応観るには観たって感じだけど、これも弟切草同様にビデオ向けのような気がしてならない。ゆっくりと観て、話を聞き取ってわかるような映画だと思う。2本立ての後の上映というのもちょっと影響があったかもしれないなぁ。

テーマの一つに近親相姦があり、けっこうエロティックな表現があるなど、大人向けって感じだった。弟切草を観に来ていた(であろう)中学生にはちょっと刺激強いかも。だけど話はわからないだろう。聞き取れなかったもん。
なんか全体的に物足りない感があったなぁ・・・

あっ・・・これR-15指定か。あれ?いいのか中学生?・・・まぁ、いっか。

2001/2/12 フジサワ中央2

2001年02月24日

EUREKA -ユリイカ-

監督・脚本・音楽:青山 真治
プロデューサー:仙頭 武則
出演:役所 広司/宮崎 あおい/宮崎 将/国生 さゆり/斉藤 陽一郎
2000/日本

九州のある田舎町でバスジャック事件が起こった。生き残ったのは運転手と通学中の兄弟。
それから2年後、生き残った彼等は様々な環境の変化を経て、一緒に暮らしはじめることに。それからしばらくして、バス旅行に出かけることに。だが・・・

「J-WORKS」の第1弾でもあるこの作品はカンヌで審査員特別賞を受賞。プロデューサーは仙頭武則。監督は『Helpless』の青山シンジ監督。主演はいい感じに年をとる役所広司と実際に兄妹の宮崎兄妹。
共演者陣に『萌の朱雀』のヒロイン、尾野真千子。あっ個人的に注目で。

とりあえず上映時間が長いことは前もって言っておきます。3時間37分。長いです。
3時間を越えるとさすがにトイレの我慢はしんどい。上映前にトイレに行っておいて良かった。観る前にトイレは行きましょう。
なんでこんな長い時間が必要なのか。短縮版はないのかと思うかもしれないけれど、この映画の世界を、彼らの状況を描くにはどうしてもこれだけの時間が必要だと思う。
残された彼らに対して、カメラはとてもやさしく彼等の表情を写し取っていたように思う。なんてことのない場面もゆっくりと彼等の姿を追う視点は嫌な感もなく、いらつくこともなく心地よかった。

この長い時間は壮絶なバスジャック事件で生き残ってしまった彼らにとっての再生の時間だ。映画の中では2年以上の時を費やした後、再生への道を歩もうとする。映画がエンディングを迎えても彼らにとってそれは終わりではなく始まりなのです。
それ故の長い上映時間。ご理解を。

この映画はちょっと特別な現像方法でプリントされているらしく、色合いがセピア調になっている(カラーでもモノクロでもない)。
賛否両論かなぁこれは。ぼくはこの映画にあっていると思ったし、良い色合いだなぁと思っているんだけど。
今思い返しているとなぜか色がついていたような気がするんだよなぁ。なんか不思議な感覚。

青山監督の作品「Helpless」に引き続き(というか世界観を共有するため?)斉藤陽一郎が出演しています。
ぼくにとっては『弟切草』に続いてなんだけど・・・どーしても彼の話し方や笑い方が好きにはなれない。
大人子供な感じなんだろうけどやたら生意気な面ばかりが目立つし笑い方がどーもダメ。一生懸命大人の感じ(タバコとかビールとかゴルフとか)を出そうとがんばっていたけどねぇ・・・

宮崎兄妹はぼくははじめて観たと思うのだけど、妹の方(宮崎あおい)のワンショットはなんか感動してしまった。かわいいというよりきれいというイメージだった。兄は・・・興味薄です・・・でも・・・そーなのか・・・(謎)(追記:TVで『淀川長治物語 神戸編-サイナラ-』に出ていて見てた)
役所広司っていい感じに年をとっているなぁと思うのはぼくだけかなぁ。『CURE』以降特に。ただ最近はちょっと・・・可もなく不可もなくの人選って感じに見えてしまう時が時々ある。まぁ個人的な所だけど。

バスジャックという非現実的な世界から生き残った彼らの現実の世界への復活・再生。ぼくは彼等のように前を向いて歩くことができているのだろうか・・・

2001/2/24 テアトル新宿

Google

About 2001年02月

2001年02月にブログ「cinema-maison」に投稿されたすべてのエントリーです。新しい順に並んでいます。

前のアーカイブは2001年01月です。

次のアーカイブは2001年03月です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type